君主論

・生きづらい世の中

「貧乏人はますます苦労しなきゃならんのか!」

「地位の低い人は虐げられてもいいのか!」

と声をあげる人がいますよね

でも世の中実際そうじゃありませんか?

今の日本の状態で全員を救うのは無理です

日本の法律も地位の高いお偉いさんが自分たちに有利なように作っています

人間の価値はみんな平等だけど、地位は平等ではありません

だから福沢諭吉も勉学に励み自らの地位を上げる必要性を唱えたわけです

 

弱者から狙われるのが世の理です

情弱なんでカモにされるだけです

プロパガンダやマスコミの印象操作に踊らされるだけです

 

今の余裕のない日本で援助を求めても声は届きません

祈るだけでは誰も助けてはくれません

知識で武装する他ありません

生きづらい世の中ですよね

 

・『君主論

君主論』って一度は聞いたことがあるかと思います

有名な本です

マキャベリが書いたやつです

でも、内容まで把握している人は少ないんじゃないでしょうか

かくいう私もその一人です

まずは権力者の手段を知ること

ということで自己防衛の一環として読んでみました

 

君主論』には、権謀術数が詳しく書かれています

(権謀術数:主に社会や組織などの集団において物事を利己的な方向に導き、自身や所属集団の地位や評価等を高めるために取られる手段や策略であり、それらが用いられるさまを表す総称)

 

ろくでもないですね

では本の内容をまとめていきます

 

世襲の君主政体を統治する方法

愚鈍な大衆は変化を嫌う

良いと思った変化は害悪になりうる

統治はそのままでいい

 

新しく獲得した領地の統治法

元の支配者を根絶やしにして、法律や税制は変えない

平民は自分の生活が変わらなければ支配者の顔などどうでもいい

支配した土地を植民地にし、植民兵で軍隊を作る

 

支配地での反乱

一人の君主が統治する場合→血筋を断つ

君主と封建諸侯が統治する場合→己が力量で御していく

 

自己の軍備と力量で君主となった場合

新しい制度には既得権益派から反対される→反対者が多い

制度を変えたところで旨い汁を吸えるか確証がない→賛同者は少ない

有無を言わさず力づくで抑えることも必要

 

他社の軍備と運命で君主となった場合

実力ではなく運命で君主となった者の困難は甚だしい

忠実な配下がいない

 

極悪非道の正しい使い方

良い極悪非道→最初にまとめて行う

悪い極悪非道→小出しにする

極悪非道は一度きりにして、恩恵は時間をかけてゆっくり行う

 

市民による君主政体について

有力者と平民は必ず対立関係になる

有力者と平民両方が、それぞれ自分たちの誰かひとりを君主にしようとする 

有力者から選ばれた場合→有力者を満足させるために平民を敵に回す必要があるが、それでも平民に自由を与えること

平民から選ばれた場合→平民に自由を与えるだけで満足してくれる、統治は楽

どちらも平民を満足させることが重要

 

籠城について

籠城中は城壁の外にあるものは見捨てるべき

財産を失った平民は、君主は自分に恩義を感じているはずだと勝手に思い込む

 

聖職者による君主政体

求心力足りえる存在は強い、任期が短いデメリットも有る

 

傭兵について

傭兵同士で八百長するので役に立たない

戦争になったら君主自らが隊長として戦闘に参加する

 

援軍について

援軍は使うべきではない

裏切られた時のダメージが深刻になる

自軍の軍備を増強するのが一番良い

 

君主が行うべき軍事訓練

平和な時こそ軍備を整え、訓練を行う

どんなに平和でもいつでも戦争のことを考える

 

君主が褒められたり、貶されたりすることについて

美徳は必ずしも良い結果をもたらさない

政体の維持を最優先に考え、悪評はできるだけ避ける

ただし、政権を守るために甘んじて受け入れなければならない悪評は怖がるな

 

気前の良さとケチ

「気前が良い」という評判を保ち続けるくらいなら「ケチ」であるほうが良い

金がなくなったら配下から侮られることになる

ケチは平民から無用な搾取をしないことで恩恵を与える

ただし、戦争で得た敵の財産は思う存分振舞ってやる

 

怖れられることと慕われること

慕われているよりも怖れられていたほうが統治は安全

ただし恨みは買わないこと

 

信義を守る必要はあるのか

相手に対して信義を守る必要はない

ただし、できるだけ正当な理由をつけて言い繕う努力はする

君主が常に美徳を重んじるのは有害

悪に手を染めなければならない場合が必ず訪れる

美徳を身に着けていると見せかけ、必要なときは遠慮なく悪徳を行うのが本当に立派な君主の姿

 

軽蔑と憎悪を逃れるにはどうすれば良いか

軽蔑を避けるためには、軽薄で優柔不断で無気力な態度をみせないこと

憎悪を逃れるためには、財産や婦女子を奪わないこと

裁判機関を作り憎まれ役を他者に押し付けて権力者を抑制し民衆を保護する

勢力が大きく腐敗を正すことができなかったら、腐敗に自分から身を染める

 

市民を歩兵にすることについて

自国の民衆には武器を与える

民衆は戦闘力を持つことで信頼されていると感じ忠実な部下になる

ただし新しく獲得した支配地の民衆は非武装にする

 

分断工作について

支配地内部での派閥争いは平和なときは陰で操る君主の目くらましに良い

しかし戦争になると弱い派閥が第三勢力と手を組んで国がのっとられてしまう

 

同盟と中立

中立を守るよりもどっちの味方か明言して戦いに参加したほうが後々良い結果になる

苦しいときに共に戦ってくれた恩を相手は忘れない

 

有能な側近から適切な助言を得るためには

全員の意見を聞く必要はない

自分が選んだ少数の賢者にだけ発言を許し、一度決断したことはやり通す

意見が割れた場合は、君主が熟慮して結論を下さなくてはならない

 

運命に打ち勝つには

運命は必ずどこかで逆転する

それに合わせて柔軟に人や態度や考え方、行動を変化させる必要がある

 

・読んだ感想

かなり示唆に富んだ内容でした

これは君主に限った話ではないですね

愚鈍な大衆にならないようにしなければ

しかし、人間はここまで打算的になる必要があるのかと思うと辟易としました